たまに見たくなる その1

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ああ、またこの伝説級の動画を見に来てしまった。Jazzドラム界の生けるヒーロー達のスーパープレイ。Dave Weckl、Vinnie Colaiuta、Steve Gaddという3人のドラマーによるセッションだ。

 

3人でドラムセッション?ドラムだけ?と思うかもしれない。確かに、普通であれば魅せるだけの音楽にするのは難しいと感じる。それが普通の感覚だろう。しかし、それを音を操るプロ3人が遂行し、ライブ会場を熱狂させてしまったのがこの動画のライブなのだ。

 

まずドラムセットが3つ前列に並んでるのが奇妙。後ろのバックバンドの人達と一緒に何か演奏するんだと普通は思う。と思いきや、タキシードを着た3人の男がそれぞれ静かにドラムソロを叩き始める。

この時点で全員めっちゃかっこいい(語彙)。BLUE GIANTの宮本大的に言えばめっちゃジャズってる(更に語彙)。

でも、今改めて見れば、Dave Wecklさん(ソロ1人目)の好戦的で挑発めいた表情が、これから始まる怒涛のドラムバトルを予感させている。

 

そして、Steve Gaddさん(ソロ3人目)の重戦車みたいな腹に響くソロの終わりが合図となって、3人のドラムが突如完璧にシンクロする。当たり前みたいに叩いているけど凄すぎる。気持良い。なんなんだこれは。

「今までの演奏は全然小手調べで、さあこれから本気だしまっせ用意はいいですかお客さん?」とでも言われているような。ギアが一段上がって戦闘モードに入ったような。「何か来る!」といった感じの息をのむ緊張感があるのだ。

 

そしてそこからは怒涛のソロ、ソロ、そしてソロ。

ドラムを叩くことに人生の大半を捧げ、生業とする3人が、同じリズムの上でソロを応酬するとはどういうことなのか? 

 

僕はそこに少し闘争的なにおいを感じる。フィギュアスケートみたいに誰かが採点してくれるわけでも無いけれど。勝った負けたは全て個人の裁量にゆだねられるのだけれど。

「お前はそう来るか?なら俺はこっちに行くぜ!」みたいな逆張りがあったり、あえてかぶせていくみたいな展開もあれば、Stave Gaddさんからは我が道を行く感じを受ける(笑)

 

この闘争のにおいは結構正しいらしく、Dave Wecklさんは自分は完全敗北だったとどこかで話していたらしい。 

そして最後は、またも突如3人が完璧にシンクロしてきれいに締めてくれる。魅せるドラムだなあと感じる。凄い。

 

見終わるといつもYEAH!!と熱めに叫ぶ。